ビクトリア州の学校教育ガイド
- ニック・ウィリアムズ

- 3月18日
- 読了時間: 5分

オーストラリアの学校教育は、国(連邦政府)が主に財源を負担しつつ、運営・管理は各州政府が担っています。そのため、制度の細かな運用は州ごとに違いがあります。本記事では、メルボルンを含むビクトリア州(VIC)の教育制度を、はじめての方にも分かりやすくご紹介します。
まずは、知っておきたいこと。
✔ 小学校:Prep〜Year 6
✔ 中高:Year 7〜Year 12
✔ 公立校は基本授業料無料(ローカル生)
✔ 学校選びで最も重要なのはスクールゾーン
✔ 学力上位校はセレクティブ校(試験入学)
✔ 大学進学はVCEまたはIB
ビクトリア州の学年・学校段階
小学校(Prep〜Year 6)・中高(Year 7〜12)
ビクトリア州の学年は、通常1月下旬に始まり、12月中旬ごろに終了します。学校段階は概ね次のとおりです。
小学校(Primary School):Prep〜Year 6(年長さん〜小6)
中高(Secondary School/High School):Year 7〜Year 12(中1〜高3)
日本と同様に、学校によって、特にマンモス校などでは「Junior(Year 7〜9)」と「Senior(Year 10〜12)」と分けて呼ぶこともありますが、メルボルンではYear 7〜12が同じキャンパスの一つの学校として運営されているケースが一般的です。
多くのご家庭が検討する学校の区分は、大きく分けて「公立(Government)」と「私立(Non-government)」の2種類です。
公立学校(Government School)の費用と留学生向け学費の目安
公立校は、現地の居住者に対しては原則授業料が無料です(ただし任意の寄付・教材費等が求められることがあります)。一方で、留学生はビクトリア州教育省が定める学費が必要です。
目安:
学生ビザ(Subclass 500)保持者:年額およそ16,000〜22,000豪ドル
Subclass 482の帯同家族(主たる就労者の家族):ローカル生に近い水準
小学校:年額約800〜1,800豪ドル
中高:年額約1,200〜3,000豪ドル
私立学校(Private School)の種類と学費
メルボルンの人気校紹介
メルボルンには私立校(独立系、宗教系など)が多く、長い歴史と実績を持つ学校も少なくありません。宗教系はキリスト教が多いものの、イスラム系、ユダヤ系など多様です。私立は幼稚園から小中高校までを一貫で提供する学校もあります。
例えば、2026年のCaulfield Grammar School(評価の高い私立校)では、Year 7の授業料が約41,415豪ドル(1年間)とされています。
スクールゾーン(School Zones)の重要性
公立中高選びのポイント
スクールゾーンとは、公立学校ごとに定められた「学校区」のことです。原則として、ゾーン内に居住していれば、その公立校に入学する権利があります。
小学校:通学可能であればゾーン外からも受け入れることが多い
中高(Secondary School):ゾーン運用がより厳格
特に学力水準が高く人気の公立中高の多くはゾーン内居住者のみが原則対象です。メルボルンでは「良い公立中高のゾーン内に住む」ことを重視して、住まい(購入・賃貸)を選ぶご家庭が少なくありません。
※最新のゾーン情報は以下で確認できます:Find My School(ビクトリア州公式)
セレクティブ・エントリー校(Selective Entry High Schools)とは?
ビクトリア州には、学力上位者向けの「セレクティブ・エントリー・ハイスクール」が複数あります。これらは公立校ですが、入学は試験・選抜によって決まります。
代表例:
Melbourne High School(South Yarra)
Mac.Robertson Girls’ High School(メルボルンCBD南側)
Nossal High School(Berwick)
Suzanne Cory High School(Werribee)
John Monash Science School(Clayton:モナシュ大学キャンパス内)
私立を含めても州内トップクラスの評価を受ける学校群です。
日本語・英語バイリンガルプログラムのある公立小学校
ビクトリア州の特徴として、ごく一部の公立小学校で「日本語を主要言語として使用する科目」を学ぶバイリンガルプログラムが実施されています。代表的なのが Caulfield Primary School と Huntingdale Primary Schoolです。
中高での日本語学習の注意点
日本語を科目として提供しているビクトリア州立中高は多くありますが、高校で日本語が授業の主要言語として使われるケースは一般的ではありません。授業は州のカリキュラムに沿った“学習科目”として進むため、母語話者は文法や構文に注意が必要です。
大学進学ルート
VCEとIB(国際バカロレア)の違いと選び方
ビクトリア州で大学進学を目指す生徒の多くは、Year 11〜12でVCE(Victorian Certificate of Education)を修了します。VCEの成績はATAR(Australian Tertiary Admission Rank)に反映され、大学出願時に用いられます。
もう一つの選択肢が、国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラムです。IBは国際的に標準化された資格で、海外大学進学を考える場合に有効です。ただし公立校での提供校は限られるため、事前確認が重要です。
ビクトリア州での学校選びをスムーズにするための準備
新しい国で異なる教育制度に入るのは、ご家族にとってもお子さまにとっても不安がつきものです。スクールゾーンの考え方、バイリンガル校の選択、入学のタイミング(学年初めか年度途中か)などを押さえておくことで、移住後の学校生活がぐっとスムーズになります。必要に応じて、学校への問い合わせや居住エリア選びの計画を早めに進めていくのがおすすめです。

ニコラス・ウィリアムズ
不動産エージェント豪州公認移民コンサルタント/TOTAL MIGRATION SERVICES PTY LTD
ニュージーランド出身で、移民関連業界に20年以上携わっています。TOTAL MIGRATION SERVICES PTY LTD代表コンサルタントとして、移民法の政策のトレンドに精通し、様々なビザ案件を手掛けながら、特に雇用主スポンサービザに焦点を当てています。ニックは、オーストラリア登録移民エージェント(MARN 1067210)です。大学卒業後に1年半ほど過ごした日本、とりわけ旅行で訪れた九州の大ファンになり、料理好きも相まって、豚骨スープを手作りし自宅で「本格的豚骨ラーメン作り」を楽しむまでとなりました。天気の良い週末には海辺をドライブしたり、庭でB B Qをしたりと、これぞオーストラリアなライフスタイルも満喫してます。


